呼吸器内科

肺がん診療・がん支持療法 肺がん診療・がん支持療法

肺がんを中心とした胸部悪性腫瘍に対して呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科、病理診断科が協力して方針決定を行い,ガイドラインに沿った手術療法、化学療法、放射線療法、緩和ケアを行います。また合併症(糖尿病、心疾患、血栓症、腎障害、肝障害など)管理については各種内科外科(循環器、消化器、 腎臓、神経、糖尿病等)と緻密な連携のもとで安全な治療を完遂できることを目標にしています。また、がん専門病院(国立がん研究センター中央病院、がん研有明病院)からの患者さんも多数受け入れております。

 

診療は、医師、看護師、理学療法士、栄養士、臨床工学士、医療相談員などの多職種が呼吸リハビリ、呼吸管理、慢性期の療養方針決定などに関わり、協力体制をとっています。 呼吸器内科・呼吸器外科の専門医が、肺がんに関する各種相談をお受けします。最初の窓口が誰になってもカンファレンスなどで意見を統一し、個々の患者さんに最も適切な方針を打ち出します。

 

肺がん患者さんの日常生活や緩和ケアを地域で支えるためには、医療機関のみならず訪問看護ステーション、ケアマネージャーなど多職種の方たちと地域連携を構築する必要があり、推進して参ります。

肺がんに関するさまざまな情報を発信することに努めていきます。当院では一般市民の方を対象とした肺がん関連セミナーやファミリーサロンなどを主催し、肺がん関連の情報発信や予防活動などを継続していきます。肺がんに関する最新治療の情報や当院での治療結果につき、ホームぺージなどで適宜公開いたします。

がん支持療法チーム(医師、がん看護専門看護師、がん薬物療法認定薬剤師)

閉塞性肺疾患(COPD、気管支喘息) 閉塞性肺疾患(COPD、気管支喘息)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、タバコ煙など有害物質を長期に吸入曝露することで生じる肺の炎症性疾患です。COPDの発症率は、1日の喫煙本数x喫煙年数が400で約20%、1200で約70%と報告されています。COPDでは気管支が障害される慢性気管支炎と肺胞が破壊される肺気腫が混在します。主な症状は咳・痰・活動時の息切れです。吸入薬による治療で症状が改善し、呼吸機能の悪化も予防できます。最も大切な治療は禁煙であり、禁煙補助薬とカウンセリングによる禁煙のサポートも行っております。約8割の方が禁煙に成功しています。さらにCOPDではやせ、骨粗鬆症、脳心血管疾患、肺癌、うつ、メタボリック症候群などを合併するリスクが高くなり、これらの評価や治療、肺炎予防として肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの接種も行っております。また、筋力保持・呼吸法習得などを目的とした呼吸リハビリテーションにも力を入れております。

 

気管支喘息は気道に炎症が続き、さまざまな刺激に気道が敏感になって発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気です。日本では子供の8~14%、大人では9~10%が喘息です。症状は発作的な喘鳴(ヒューヒュー・ゼーゼー)・息苦しさ・咳・痰であり、夜間や早朝に出やすいのが特徴です。吸入ステロイドを中心とした薬物治療によって約9割は良好にコントロールされます。約1割を占める難治性/重症喘息の患者さんには近年開発が進んでいる生物学的製剤(抗IgE抗体、抗IL5抗体、抗IL5R抗体)、気管支サーモプラスティ(温熱療法)も提案させて頂いております。喘息患者さんでは鼻炎や副鼻腔炎を合併していることが多く、それらは喘息を悪化させますので当院では呼吸器内科と耳鼻科が連携して治療を行っております。

感染症(肺炎、肺結核、肺非結核性抗酸菌症) 感染症
(肺炎、肺結核、肺非結核性抗酸菌症)

肺炎

肺炎は、細菌やウイルスなどの病原微生物が感染して、肺に炎症を起こす病気です。

原因となる微生物は、肺炎球菌が最も多く、次いでインフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマとなっています。咳、痰、息切れ、胸の痛み、発熱などの症状を起こしますが、高齢者では、このような症状をはっきりと示さないことがあります。

病原微生物に対する抗菌薬で治療しますが、年齢や呼吸状態などから重症と判断した場合には、入院して治療を行います。当院では肺炎クリティカルパス(入院計画)を導入し、診療の標準化と、在宅療養もしくは療養施設・病院での療養に円滑に移行が可能となるように努めております。

肺結核

肺結核は昔の病気と考えられがちですが、空気感染するために日本ではまだまだ蔓延しているのが現状です。症状は咳、痰、血痰、だるさ、発熱、寝汗、体重減少などがあり、2週間以上咳が続く場合や血痰がある場合には肺結核の可能性を考慮する必要があります。

検査は胸部エックス線検査、胸部CT検査、血液検査(T-SPOT)、喀痰検査などを行います。痰を調べ、顕微鏡観察や培養(6週間かかります)、遺伝子検査で菌が証明されれば確定診断になります。 診断後は4種類の抗結核薬による内服治療を行いますが、治療は6ヶ月間(2ヶ月治療したら2種類の治療薬に減ります)と長期にわたります。結核菌が痰から大量に出ている場合には、菌が減ってくるまで結核専門施設で入院治療をします。

肺非結核性抗酸菌症

肺非結核性抗酸菌症は、結核菌以外の抗酸菌が肺に感染して起こる病気です。非結核性抗酸菌は土や水などの環境中にいる菌で、結核菌とは異なり人から人には感染しないとされています。非結核性肺抗酸菌症の80%がマック菌(M.avium、M.intracellulare)で、次に多いカンサシ菌が10%です。主に浴室など水回りや土を扱う作業で、空気中にただよう非結核性抗酸菌を繰り返し吸い込むことにより感染すると考えられています。多くは数年から10年以上かけてゆっくりと進行するため、症状がなく、検診の胸部エックス線検査で発見されることもしばしばあります。画像検査、血液検査、喀痰検査、気管支鏡検査などで診断します。治療は症状や肺の影が悪化してくる場合には、複数の薬による長期の治療が必要です。

間質性肺炎 間質性肺炎

肺は肺胞というブドウの房状の小さな袋がたくさん集まってできています。間質性肺炎は、肺胞の壁に炎症や損傷が起こり、壁が厚く硬くなるため(線維化)、酸素を取り込みにくくなる病気です。間質性肺炎の原因は様々ですが、原因不明のものを特発性間質性肺炎(IIPs:idiopathic pulmonary fibrosis)と総称します。IIPsは主要な6つの病型、稀な2つの病型および分類不能型に分類されます。

IIPsのなかでは特発性肺線維症(IPF)が80~90%と最も多く、次いで特発性非特異性間質性肺炎が5~10%、特発性器質化肺炎が1~2%程度です。わが国におけるIPFの調査では、発症率が10万人対2.23人、有病率が10万人対10.0人とされています。IPFは50歳以上の男性に多く、ほとんどが喫煙者であることから、喫煙が「危険因子」であると考えられています。症状は初期には無症状のことが多く、病状がある程度進行してくると動いた時の息切れや痰を伴わない咳を自覚します。

IIPsの原因は不明ですが、複数の原因遺伝子と環境因子が影響している可能性が考えられています。また、IPFは未知の原因による肺胞上皮細胞(肺胞壁の構成細胞)の繰り返す損傷とその修復・治癒過程の異常が主たる病因・病態とされており、肺胞上皮細胞の機能に関与する遺伝子異常が注目されています。

 

診断は問診、身体診察に加えて、胸部エックス線や胸部CT、呼吸機能検査、運動時の血液中の酸素の量の低下の割合などから病状を評価し、病型の分類を推測します。気管支鏡検査により肺胞の洗浄やかん子による生検を行うこともあります。最も正確な診断のためには肺を一部取ることが必要とされていますが、全身麻酔による手術を必要とするため、患者さんの状態によって施行すべきか検討します。当科では手術に代わる検査として、気管支鏡によるクライオバイオプシー(組織を凍らせて取る方法)を導入しています。手術よりも患者さんの体に与える影響が少ないということで世界的にも広く行われています。

治療は抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)により病気の進行を緩やかにできる場合がありますが、効果には個人差があります。その他の病型のIIPsでは、多くの場合ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)や免疫抑制剤が適応となります。病気が進行すると呼吸不全となり酸素吸入が必要になることもあります。

呼吸不全、呼吸器サポートチーム(RST) 呼吸不全、呼吸器サポートチーム(RST)

呼吸不全

肺は、空気中の酸素を血液に取り込み、体内で産生された二酸化炭素を血液から呼気に排出する「ガス交換」という重要な機能を担っています。通常、動脈中の血液には酸素分圧100mmHg程度の酸素が存在し、何らかの原因によりそれが60mmHg未満になる病態を呼吸不全と定義します。

原因疾患は様々で、肺炎やARDS、急性肺血栓塞栓症、自然気胸などが代表的です。また慢性閉塞性肺疾患や間質性肺炎が、肺炎や心不全などの合併を契機に、本病態を呈することもあります。

治療は、酸素吸入や人工呼吸など呼吸を補助する治療と、原因疾患に対する治療に分けられます。

呼吸器サポートチーム(RST)

当院では、呼吸器内科医師・臨床工学技士・看護師・薬剤師・理学療法士・言語聴覚士・管理栄養士・医事課職員など様々な職種職員より、呼吸サポートチーム(RST: Respiratory Support Team)が組織されています。

  • 人工呼吸器管理を含む呼吸ケア全般の技術及び知識の向上から質の高い支援の提供
  • 人工呼吸療法に関連した医療事故防止対策と安全性の確立
  • 人工呼吸器管理の標準化から早期離脱

を目標として活動をしています。

人工呼吸器の装着が必要となった急性呼吸不全の患者さんに対しては、病状が改善して人工呼吸器をスムーズに外せるよう、病態と病状に即した最適な呼吸管理を主治医と連携して行っております。

 

慢性呼吸不全の患者さんに対しては、日常的な息切れや痰がらみ、誤嚥などが減るよう、薬の調整、適切な呼吸法の指導や筋力トレーニング、嚥下訓練、栄養指導などを行っております。

定例行事は週1回の合同カンファレンスと週2回の回診ですが、必要があればいつでも現場に駆け付けます。

年間のべ1,300人の患者さんをサポートしております。

呼吸器内視鏡(気管支鏡、胸腔鏡) 呼吸器内視鏡(気管支鏡、胸腔鏡)

気管支鏡は、主に検診などで発見された胸部異常陰影の診断目的に行います。最新の機器を多数導入し、エキスパートによる高精度の気管支鏡検査・治療を提供しています。当院では鎮静剤を積極的に使用し、苦痛のない手技を受けて頂けるよう配慮しています。以下に当院での呼吸器内視鏡手技を紹介します。

診断手技

1.ガイドシース併用気管支超音波断層法(EBUS-GS)
肺の異常のある部分にラジアル型の超音波内視鏡を挿入し到達確認を行ったのち、生検を行う手技です。検査前に仮想(バーチャル)気管支鏡の作成やトモシンセシス(デジタル断層撮影)の撮像を行い、肺末梢病変への到達性を上げるよう工夫しています。

 

2.超音波気管支鏡ガイド下針穿刺吸引(EBUS-TBNA)
縦隔・肺門のリンパ節腫大に対し実施します。リアルタイムに超音波画像を見ながら針穿刺吸引生検を行うことができるため、高い診断率を得ることができます。

 

3.クライオバイオプシー(凍結生検)
気管支鏡下にクライオプローブを目的部位まで到達させ、組織を凍らせて採取する新しい方法です。挫滅の少ない組織が多く採取でき、診断率が高くなります。

 

4.胸腔鏡(局所/全身麻酔下)
原因不明の胸水や胸膜疾患に関しては呼吸器外科と協力し、より低侵襲な胸腔鏡診断に努めております。

 

5.がんゲノム医療への貢献
患者様にとって最良な治療が受けられるよう、採取させて頂いた臨床検体は病理診断はもとより、次世代シークエンサーによる網羅的遺伝子パネルを用いた遺伝子検査への提出を随時検討させて頂いております。

治療手技

1.気管支サーモプラスティ(温熱療法)
重症喘息に対する内視鏡的治療として実施しています。当院では苦痛軽減および安全性確保のため、全身麻酔下に行っています。

 

2.その他気道インターベンション
気道異物回収、バルーン拡張術、腫瘍焼灼(アルゴンレーザー、高周波スネア、ホットバイオプシーなど)、気道ステント留置、EWS(シリコン製充填剤)による難治性気胸に対する気管支充填術なども行っています。

気管支鏡チーム(医師、看護師、放射線技師)

当科での取り組み 当科での取り組み

入院から在宅へ、継ぎ目なき医療を受けていただくために

当科の病棟では、医師、看護師、理学療法士、栄養士、臨床工学技士、医療相談員などの多職種が、薬物治療のみならず、呼吸リハビリ、酸素療法・呼吸管理、栄養管理から在宅療養など慢性期の療養方針の決定と整備に関わります。そして、訪問看護ステーションやケアマネージャーなどの方たちと連携を進め、継ぎ目なく次の療養へ繋ぐ「治し支える医療」の実践に努めております。

左:多職種でカンファレンスで討論
右:リハビリ室で酸素吸入をしながら歩行訓練

  • 電話番号

    03-3451-8211(代表)

  • 初診受付時間

    8:00-11:30

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