令和2年度実績

令和2年度東京都済生会中央病院病院指標 令和2年度東京都済生会中央病院病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数
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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 42 45 279 428 792 1,242 1,687 2,582 1,934 466
2020年4月~2021年3月に当院を退院した患者さん(※注1)の年齢を10歳刻みで集計しました。退院患者の年齢構成を調べると、その病院の特徴がある程度わかります。年齢構成では60代から80代が全体の6割を超えており、その中でも70代が最も多く全体の3割近くを占めています。
当院は地域医療支援病院として、近隣病院や診療所・患者さんのかかりつけ医の先生方と円滑な連携を行い、地域の基幹病院として適切な質の高い医療を提供しています。また患者支援センター地域連携室が核となり、診療連携病院のみならず、地域における高齢者医療や在宅医療を担っている診療所やクリニック、福祉介護施設など多施設多職種との調整のもと積極的に診療依頼の受け入れに対応しています。2017年5月の新主棟開設により救急救命センターを拡充し、特定集中治療室(GICU)・ハイブリッド室を新たに備えた手術室等を設置し、救命部門・手術部門の機能強化にも力を注いでいます。また、分娩・産科診療の再開、2018年10月には脳卒中ケアユニット(SCU)の開設なども行っています。そして総合的・全人的医療を目指し、各診療科の医師をはじめ、えん下対策チーム・褥瘡予防対策チーム・呼吸サポートチームなどの連携による多職種の専門的観点から、患者さんの病態に応じた幅広い医療の提供とトータルケアを行っています。退院に向けて入退院支援室が介入し、転院や自宅へ戻るための施設案内、在宅療養の紹介など退院支援も積極的に行っています。

※注1…DPC/PDPS(診断群分類に基づく1日ごとの支払方式)の対象となった患者さんを集計。自賠責や自費診療などDPC/PDPSの対象とならない期間がある患者さんは含まれていません。また、入院された時点の年齢で集計しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
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総合診療・感染症内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
080010XXXX0XXX 膿皮症 手術処置等1 なし 25 44.16 12.87 12.00% 66.28
01021XXXXX0XXX 認知症 手術処置等1 なし - - 16.38 - -
160690XX99XXXX 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし - - 18.81 - -
050130XX9900XX 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 17.23 - -
060280XXXXXXXX アルコール性肝障害 - - 13.95 - -
2020年4月~2021年3月に総合診療科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科は肺炎、尿路感染症、蜂窩織炎などの感染症、認知症、脳血管障害、腎障害など内科領域の幅広い疾患の治療を行っています。このように特定の臓器・疾患に限定せず診療を行う目的は、総合的な視点から患者さんのもつ問題点を整理、抽出し患者さんのニーズに対応した医療を専門科と連携して提供することにあります。その具体的な取り組みの一つとして、生活困窮者支援事業の診療を当科で担当していることが挙げられます。当院を運営する済生会は、明治天皇の「生活に困り、医療・福祉を受けられない人々にも救いの手を差しのべるように」とういうお言葉から創設されました。その創立以来の「済生の精神」の下、生活困窮者に対する診療を行っています。その診療を担当している特性から、長期間の路上生活の中で罹患した急性膿皮症が多くなっています。
また、感染症や骨折、心不全など複数の疾患を有することが多い高齢者診療の患者が多いことも特徴です。当院は認知症治療に注力しており、「認知症疾患医療センター」を設置し、当科に専門医が所属して診療を行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060100XX01XXXX 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 結腸切除術等 176 3.16 2.66 0.00% 70.94
060340XX03X00X 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術処置等2 なし 副傷病 なし 105 8.59 9.53 6.67% 74.33
060102XX99XXXX 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 76 5.14 7.74 0.00% 66.96
060280XXXXXXXX アルコール性肝障害 51 11.06 13.95 13.70% 63.71
060140XX97X0XX 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 34 8.00 10.83 0.00% 63.44
2020年4月~2021年3月に消化器内科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では小腸・大腸の良性腫瘍やポリープの症例が多く、これらに対しては患者さんの体への負担が少ない内視鏡手術を行っています。総胆管結石、胆管炎の症例は重症化すると致命的になる可能性があるため、症状がある場合はもちろん無症状の場合でも、原則治療の対象としています。東京都内では夜間の消化管・胆道系内視鏡治療に即対応できる医療施設が少ないため、救命センターと協力し、都内各所から毎日24時間緊急内視鏡を受け入れております。消化器外科、放射線科の各専門医と絶えず密接な連携をとり、常に患者さんの方を向いた診療を心がけ、最善の医療を提供することに努めています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040110XXXXX0XX 間質性肺炎 手術処置等2 なし 49 12.59 18.61 6.12% 73.84
040040XX9910XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし 46 3.13 3.39 0.00% 69.72
040081XX99X0XX 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2 なし 21 19.29 20.51 23.81% 84.29
040040XX99041X 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 あり 20 15.75 15.61 0.00% 75.75
040150XX99X0XX 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術なし 手術処置等2 なし 19 23.00 22.63 5.26% 76.42
2020年4月~2021年3月に呼吸器内科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、入院症例の上位多数は原発性肺癌が占めており、次いで間質性肺炎(肺線維症の急性増悪・薬剤性肺炎・膠原病関連間質性肺炎など)、誤嚥性肺炎などが入院症例として多い疾患です。他にも喘息などのアレルギー性疾患、様々な呼吸器感染症(肺炎球菌性肺炎・ニューモシスチス肺炎・膿胸など)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪など、多岐にわたる疾患の治療を行っています。肺癌に対しては、呼吸器内科・呼吸器外科・放射線治療科・緩和医療科・リハビリテーション部門が連携して治療にあたり、免疫療法による多彩な有害事象に対しても内科各科・皮膚科などがチームとなって患者さんをサポートしております。いかなる疾患に関しても、また、複数の疾患を抱えた患者さんであっても、御本人や御家族の意向に沿った最善の治療を行うよう努めております。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010060X2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 重症度等 発症前Rankin Scale 0、1又は2 40 15.13 15.64 32.50% 67.40
010230XX99X00X てんかん 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし 40 6.63 7.48 2.50% 51.13
010070XX9910XX 脳血管障害 手術なし 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし 24 3.13 3.29 0.00% 74.00
010040X099000X 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 22 18.91 18.86 50.00% 67.32
010061XXXXX0XX 一過性脳虚血発作 手術処置等2 なし 20 8.45 6.36 0.00% 67.50
2020年4月~2021年3月に脳神経内科で入院した患者さんの原因の疾患で、DPC14桁分類での上位5疾患について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、脳梗塞・てんかん・一過性脳虚血性発作および非外傷性脳内出血(いわゆる脳出血)等の神経救急疾患が入院症例の上位を占めています。
当院は東京都心部の脳卒中診療基幹病院として2006年より脳卒中センターを開設、2018年10月に脳卒中専門の集中治療室(SCU:Stroke Care Unit)を設け、24時間365日対応可能な緊急体制を整備し急性期治療に取り組んでいます。また脳血管内治療科や脳神経外科とも連携し、超急性期のカテーテル治療・手術治療も行っており、脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血等の脳卒中症例が多くを占めています。当院は3次救急も受け入れており、意識障害で来院された方の中にてんかん発作がその原因であると考えられる症例もあり、当科で対応を行っております。
糖尿病・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
10007XXXXXX1XX 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 120 13.38 14.60 3.33% 66.18
10007XXXXXX0XX 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 なし 42 12.26 11.26 2.38% 65.33
100040XXXXX00X 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術処置等2 なし 副傷病 なし 28 11.18 13.33 0.00% 59.86
10006XXXXXX1XX 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 15 12.40 13.57 0.00% 60.40
060100XX01XXXX 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 結腸切除術等 13 8.23 2.66 0.00% 72.77
2020年4月~2021年3月に糖尿病・内分泌内科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、糖尿病と診断された方や糖尿病になるリスクが高い方への治療を行っています。患者さん一人一人に合った食事・運動・薬物療法、生活改善指導など2型糖尿病をはじめとする血糖コントロール目的の入院が多くを占めています。また、1型糖尿病の治療にも精通しており、1型糖尿病治療に必要な知識や技術についても提供しています。
通常の診療に加え、1961年より糖尿病教育入院を行っています。個々の状態に応じた適切な治療を進めるとともに、糖尿病の治療に必要な知識の修得に力を入れ「患者さん自身に主治医になっていただく」ことを目標にしています。体験的治療や家族を含めた指導を積極的に行っています。
糖尿病は腎・眼・神経などの合併症が伴うため、各診療科や糖尿病指導看護師、管理栄養士、薬剤師等が連携し治療を行っています。また、専門病院では難しい糖尿病合併のがん患者さんの手術を可能にするため、外科系診療科と連携し術前血糖コントロール等も行っています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110280XX9900XX 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 64 10.33 11.04 6.25% 62.89
110280XX9901XX 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 27 11.93 14.01 14.81% 71.56
110280XX9902XX 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 24 8.08 8.90 4.17% 63.21
110280XX02X00X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 15.41 8.15 11.76% 73.06
040081XX99X0XX 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2 なし 16 17.25 20.51 12.50% 83.19
2020年4月~2021年3月に腎臓内科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、慢性腎不全や糖尿病性腎症、糸球体腎炎、慢性腎炎などの疾患が入院症例の上位を占めています。
慢性腎不全が進行し末期腎不全に至った患者さんには血液透析や腹膜透析療法を行うとともに、腎移植に関する情報提供・腎移植施設の紹介などの腎代替療法のサポートを行っています。糖尿病による腎機能障害(糖尿病性腎臓病)は近年増加傾向にあり、病初期からの早期治療介入で病期の進行の抑制や治癒が可能となる場合もあり、食事指導など具体的かつ実践的な指導を栄養管理士をはじめとした多職種によるチーム医療で実践し重症化の予防に取り組んでいます。腎臓病は自覚症状が乏しくさらに腎機能障害の原因は多岐にわたるため、診断および専門的な治療を迅速に行うために力を注いでいます。血尿・蛋白尿を認める腎臓病の診断には正確な組織診断が重要であり積極的に腎生検を行っています。また、二次性高血圧の原因となる原発アルドステロン症や褐色細胞腫、クッシング病や腎血管症など、様々な原因に対して負荷試験などで確定診断を導き根治的治療にも幅広く取り組んでいます。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
130030XX99X5XX 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術処置等2 5あり 96 19.66 20.27 0.00% 68.05
130060XX97X40X 骨髄異形成症候群 手術あり 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 59 18.44 18.98 0.00% 73.41
130030XX97X50X 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術処置等2 5あり 定義副傷病 なし 45 27.51 31.90 6.67% 67.11
130030XX99X6XX 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術処置等2 6あり 40 14.65 14.15 0.00% 69.85
130030XX99X4XX 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 32 10.28 11.14 0.00% 70.97
2020年4月~2021年3月に血液内科で入院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
血液内科では悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群が入院症例数上位を占めており、なかでも悪性リンパ腫の患者数は年々増加傾向にあります。化学療法や支持療法を目的とした入院症例が多くなっていますが、適応される患者さんには「骨髄移植」、「末梢血幹細胞移植」、「臍帯血移植」を行っており、14床の無菌室を完備し年間約10例の移植を行っています。
緊急で受診が必要な症例はいつでも受診可能です。
血液内科の診療の根幹は地域に根付いた医療です。標準治療に基づきながら先進的な知識と、総合病院だから出来るチーム医療で真摯に対応いたします。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050050XX9910XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 118 3.57 3.07 3.39% 69.43
050050XX0200XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術処置等1 なし、1,2あり 手術処置等2 なし 100 4.91 4.44 3.00% 68.72
050130XX9900XX 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 69 15.35 17.23 2.90% 79.83
050030XX97000X 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術処置等1 なし、1あり 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 40 12.10 12.09 10.00% 68.03
050050XX9920XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置等1 2あり 手術処置等2 なし 31 3.26 3.26 3.23% 67.13
2020年4月~2021年3月に循環器科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院は1979年より東京都CCUネットワークに加盟し、急性心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や心不全、不整脈などの心臓救急に対応しています。入院される患者さんの疾患としては、心筋梗塞・狭心症・不整脈・心不全が大多数であり、当院の特徴として糖尿病や慢性腎不全を合併している患者さんが多く、より重症となる症例を多数診療しています。虚血性心疾患の治療には、「経皮的冠動脈インターベンション」や開胸による「冠動脈バイパス術」がありますが、各手術の特性を鑑み患者さんに最適な治療方針決定のため、心臓血管外科と連携したチーム医療を行っています。
2017年「経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)」実施必須要件のハイブリッド手術室が使用可能となり、2018年にプロクター制度下で認定されました。その後、規定数の手術を無事に実施し、2018年12月に正式に「経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)」実施認定施設になりました。循環器内科・心臓血管外科・麻酔科・看護部・臨床工学技士・放射線技術科・臨床検査科・リハビリ技術科など他職種の部門から構成されたハートチームが術前カンファレンスを行い個々の技術力、チームワークを活かし最適な治療を提供しています。また、がん専門病院と病病連携し、循環器診療のサポートを行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
140010X199X0XX 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 23 6.39 6.13 0.00% 0.00
140010X299X0XX 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術処置等2 なし - - 11.19 - -
080050XXXXXXXX 湿疹、皮膚炎群 - - 10.20 - -
- - - - - - -
- - - - - - -
2020年4月~2021年3月に小児科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では2017年の新病棟稼働に伴い、当院で出生した新生児および併設の乳児院への対応が中心となりました。現在は小児専用病棟はなく、混合病棟内の個室対応となっています。小児科では、低出産体重児や新生児黄疸に対する治療が多くを占めており小さく産まれたお子さんへのケアが重要であることがわかります。外来では一般診療の他に、予防接種や乳児健診にも取り組んでいます。専門外来として「小児・思春期頭痛外来」「小児内分泌外来(低身長や肥満など)」「こどものおなか外来(腹痛・下痢・便秘など)」も設置しており、お子さんやご両親へ適切な対処法やアドバイスを積極的にお伝えしています。「子育て支援外来」でもありますので赤ちゃんから思春期まで成長・発達をはじめ、気になる点は何でも遠慮なくご相談ください。
一般・消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060160X001XXXX 鼠径ヘルニア(15歳以上) 小腸切除術 悪性腫瘍手術以外の切除術等 68 4.82 4.86 0.00% 71.13
060335XX02000X 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 54 6.91 7.23 0.00% 61.89
060150XX03XXXX 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 44 4.70 5.44 0.00% 36.59
110280XX02X00X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術処置等2 なし 定義副傷病 なし 41 6.39 8.15 0.00% 70.51
060035XX010X0X 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 30 15.13 16.19 10.00% 73.60
2020年4月~2021年3月に一般・消化器外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、消化器領域(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・肝臓・胆道・膵臓)の良性および悪性疾患や、ヘルニア、末梢血管手術(下肢静脈瘤、シャント造設)などの一般外科領域で行われるあらゆる診療に対応しています。当院は、東京都認定がん診療病院に指定されており、放射線科・消化器内科・腫瘍内科との連携を密にし、内視鏡検査や化学療法、放射線療法まで含めた集学的がん治療を行っています。また、外部の医療機関と提携関係を結んでおり、情報交換を通じ必要に応じて共同治療を行っています。症例数としては鼠径ヘルニア、胆嚢疾患、虫垂炎などが多く、これらに対する手術として、患者さんの体への負担が少ない腹腔鏡手術が多く施行されています。その他、救急センターと協力し24時間体制で救急患者さんを受け入れ、緊急手術に対応することで、地域貢献に努めています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040040XX97X00X 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 50 10.26 10.83 2.00% 68.54
040200XX01X00X 気胸 肺切除術等 手術処置等2 なし 副傷病 なし 17 8.00 10.08 0.00% 30.12
040020XX97XXXX 縦隔の良性腫瘍 手術あり - - 8.40 - -
040040XX9910XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし - - 3.39 - -
040200XX99X00X 気胸 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし - - 9.18 - -
2020年4月~2021年3月に呼吸器外科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率および平均年齢を示しています。
呼吸器外科では、肺がんや転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍などの腫瘍性疾患、若年の男性に突発的におこる気胸などの疾患が入院症例の上位を占めています。
なかでも肺がん診療に力を入れており、各診療科との協力体制の下、開胸手術法と比べ患者さんの負担が少ない胸腔鏡(内視鏡)を用いた低侵襲手術、抗癌剤治療、放射線治療を組み合わせた先進治療で、早期肺がんから進行肺がんまで患者さん一人一人の状況に合わせた集学的治療を行っています。また“総合病院の中の呼吸器外科”という強みを生かし、重篤な糖尿病や腎不全、血液疾患の合併症を伴った患者さんにも積極的に治療を行っています。がん専門病院との病病連携も行っており、心臓病や脳梗塞などの合併症を持った肺がんの患者さんも多く受け入れ、治療に取り組んでいます。肺がんは長期にわたって注意深い経過観察をしていく必要があるため、患者さんやご家族とのコミュニケーションを大切に、しっかりとフォローする体制で臨んでいます。
心臓血管外科・血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050163XX03X0XX 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術処置等2 なし 34 7.88 11.56 0.00% 74.00
050170XX03001X 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術処置等1 なし、1あり 手術処置等2 なし 副傷病 あり 23 5.35 10.03 0.00% 77.70
050170XX03000X 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術処置等1 なし、1あり 手術処置等2 なし 副傷病 なし 22 4.41 5.43 4.55% 70.14
050050XX0101XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術処置等1 なし 手術処置等2 1あり 13 19.08 22.22 7.69% 68.85
050050XX0111XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術処置等1 1,2あり 手術処置等2 1あり 10 21.80 27.51 10.00% 70.80
2020年4月~2021年3月に心臓血管外科・血管外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、胸部・腹部大動脈瘤に対して手術を行う症例、動脈の狭窄・閉塞等が原因で起こる重症虚血肢に対する血管拡張・血栓除去手術や下肢バイパス手術などのカテーテル治療を目的とした入院症例や狭心症などの虚血性心疾患に対する手術での入院症例が上位を占めています。心臓弁膜症手術にも力を入れており、大動脈弁閉鎖不全や僧帽弁閉鎖不全に対する「弁置換手術」目的の入院症例も増加し上位となっています。さらに、2018年より「経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)」を開始、また弁膜症に心房細動を合併した症例についてはメイズ手術(術中アブレーション)を行い洞調律に戻す治療も行っています。当科では、開胸手術も経皮的カテーテル治療も行っており、多岐にわたる治療方法に対応可能な体制を整えています。狭心症や心筋梗塞などの治療には心臓血管外科・血管外科・循環器内科で連携し、患者さんの病状に応じた最適な治療方法を選択しています。冠動脈バイパス手術症例では、糖尿病を合併した虚血性心疾患に対する手術件数も多く行っています。2017年よりハイブリット手術室を稼動し高度な血管治療が行える体制を整え、「大動脈ステントグラフト」治療や「胸腹部大動脈置換術」などの難易度が高い手術での入院症例が上位となっています。当院は糖尿病の患者さんも多い傾向から、慢性腎不全の患者さんに対する透析シャント設置にも取り組んでおり、近隣病院と連携をとりながら広く治療に努めています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
160100XX97X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術処置等2 なし 副傷病 なし 23 25.83 9.68 13.04% 81.61
160100XX99X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術処置等2 なし 副傷病 なし 17 12.29 8.18 5.88% 70.94
010040X101X1XX 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS30以上) 脳血管内手術+脳動静脈奇形摘出術等 手術処置等2 あり - - 38.97 - -
010200XX01X00X 水頭症 水頭症手術 脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)等 手術処置等2 なし 副傷病 なし - - 21.03 - -
010050XX02X00X 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術処置等2 なし 副傷病 なし - - 12.04 - -
2020年4月~2021年3月に脳神経外科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科で扱う疾患には、交通事故や転倒・転落などによる頭部外傷、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血などの脳卒中・脳血管障害、脳腫瘍等があります。
2006年に脳卒中センターを開設し、さらに2008年にはSCUを設け緊急手術などの対応も可能となりました。救命救急センターを設置しており、緊急性が高い硬膜下血腫、くも膜下出血などの脳内出血(外傷性・非外傷性)等に対して救急診療科と協力して365日休むこと無く治療できる体制を整えています。
このような当院の診療体制を反映して、頭蓋・頭蓋内損傷が上位となり、それに非外傷性頭蓋内血腫および水頭症の手術症例が続いています。高齢者で外傷とは無関係に記憶力低下、歩行障害などが現れる正常圧水頭症に対してはV-P(脳室-腹腔)、L-P(腰椎-腹腔)シャント手術を行っています。また、てんかんや脳腫瘍などの脳神経の疾患に対しても積極的に治療しています。
いずれの疾患でも、入院中に手足の麻痺や歩行障害、言語障害、嚥下障害など認めた場合には出来る限り早期からリハビリを行い、良好な機能回復、早期退院を目指しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
160800XX01XXXX 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 80 27.20 25.09 70.00% 81.64
07040XXX01XXXX 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 66 24.30 21.03 10.61% 66.48
160760XX97XX0X 前腕の骨折 手術あり 副傷病 なし 33 3.94 5.18 0.00% 60.21
070343XX01X0XX 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術処置等2 なし 22 17.77 20.40 4.55% 64.45
070343XX99X20X 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術処置等2 2あり 定義副傷病 なし 21 2.10 6.52 0.00% 65.38
2020年4月~2021年3月に整形外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では慢性疾患から救急の外傷疾患まで幅広い治療を行っています。下肢領域では人工股関節の手術対象例が多く、高齢化社会の到来で様々な股関節症が発生しています。技術的な改良も取り入れ、早期に歩行練習を開始することでより早い改善が可能になっており年齢の問題で手術適応外になることは少なくなってきています。また脊椎領域では、脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア・変形性側弯症などの症例が多く、圧迫された神経の除圧や変形した骨の固定術等を行っています。手の外科領域では専門医が腱鞘炎・ばね指・手根管症候群・ガングリオンなどの症例に対し、レントゲンだけではなく超音波等も用いて正確に病態を把握し、病状に見合った的確な治療・手術を行っています。
いずれもできる限り低侵襲な方法で手術を行い、早期離床、早期リハビリテーションによる早期の回復を目指すことで、短期間での入院治療が可能となっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110080XX991XXX 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1 あり 89 2.09 2.54 0.00% 68.76
110070XX03X0XX 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 79 5.44 7.13 0.00% 71.73
11012XXX020X0X 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術処置等1 なし 副傷病 なし 50 3.38 5.67 2.00% 59.30
11012XXX04XXXX 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 44 2.14 2.66 0.00% 52.82
110200XX02XXXX 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術 38 5.82 8.52 0.00% 73.50
2020年4月~2021年3月に泌尿器科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科は、尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)、男性生殖器(前立腺・精巣・陰茎)、副腎(ホルモンを出す臓器)に関わる疾患について診療を行っています。
入院患者数においては前立腺がん、膀胱がんなどがん治療の件数が上位であることが特徴です。前立腺がんの治療においては、確定診断に有効な前立腺針生検を1泊2日の入院で行うことが可能であり、その病理診断結果やMRI等の画像診断所見などをもとに、手術、ホルモン剤治療、放射線治療(IMRT)など症例ごとに最適な治療方法を選択しています。また、ロボット手術などを希望される患者さんに対しては、施行可能な連携医療機関へ紹介を行っています。膀胱がんに対しては早期の場合、「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)」など内視鏡を用いた低侵襲な術式を行う一方、浸潤がんでは「膀胱全摘術」を行うなど進行度に応じて術式を選択します。
尿路結石の治療においては、主に「体外衝撃波腎・尿管結石破砕術」による治療とともに必要であればホルミウムレーザーを用いた「経尿道的結石除去術」を行っており、より高度な尿路結石手術に対応できるようになっています。
前立腺肥大症の治療においても、従来の術式と比べてより合併症が少なく、安全に行うことができるようになりました。また、女性に多い骨盤臓器脱、腹圧性尿失禁などは女性泌尿器科外来を開設しており、これらの疾患においても従来の術式に比べてより侵襲の少ない術式を取り入れた手術治療を行っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
120060XX02XXXX 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 107 6.36 6.10 0.00% 42.36
120070XX02XXXX 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 44 6.02 6.16 0.00% 39.20
120220XX01XXXX 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 34 3.03 2.93 0.00% 40.56
120100XX01XXXX 子宮内膜症 子宮全摘術等 32 7.03 7.30 3.13% 40.66
12002XXX02X0XX 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮筋腫摘出(核出)術 腟式等 手術処置等2 なし 25 3.40 3.11 0.00% 39.48
2020年4月~2021年3月に産婦人科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では子宮の良性・悪性腫瘍、卵巣腫瘍などの女性特有疾患の手術を多く行っています。手術においては、患者さんの負担を減らす低侵襲を目的とした内視鏡下手術(腹腔鏡・子宮鏡)に力を入れています。各診療科と連携し子宮内膜症やポリープ、良性・悪性腫瘍などの治療にも積極的に取り組んでいます。高齢化に伴い最近注目されている骨盤臓器脱や、若年にみられる脱の術後再発への手術実績もあります。
2017年5月より分娩を再開するに伴い、妊産婦さんのニーズにオーダーメードでお答えできるようセミオープンシステムや無痛分娩、産後ケアショートステイを導入しました。全力でサポートできる体制を整え、より安心安全な産科医療を提供しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020110XX97XXX0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度等片眼 117 2.48 2.76 0.00% 74.68
020110XX97XXX1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度等両眼 40 3.15 4.95 0.00% 75.60
020180XX97X0X0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術処置等2 なし 重症度等片眼 15 6.47 6.98 0.00% 60.33
020200XX9710XX 黄斑、後極変性 手術あり 手術処置等1 あり 手術処置等2 なし - - 6.49 - -
020240XX97XXX0 硝子体疾患 手術あり 重症度等片眼 - - 5.65 - -
2020年4月~2021年3月に眼科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、令和元年度に引き続き「白内障手術」を目的とした入院症例が多数を占めています。白内障に対する手術は日帰り手術(外来手術)も行っており、年間約400件の手術治療を行っています。その他には緑内障、加齢黄斑変性などに対する治療および糖尿病網膜症、黄斑上膜、網膜剥離などに対する手術も行っており、患者さんの視覚の質の向上による生活の質の向上を目指しています。糖尿病や腎臓疾患、心臓疾患などをお持ちの患者さんには基本的に入院手術をお勧めしており、糖尿病内科や腎臓内科などの他診療科と密な連携の下、安全な手術を受けていただいています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
030150XX97XXXX 耳・鼻・口腔・咽頭の腫瘍 手術あり 28 4.14 7.20 0.00% 62.57
030350XXXXXXXX 慢性副鼻腔炎 25 6.00 6.71 0.00% 48.68
030230XXXXXXXX 扁桃、アデノイドの慢性疾患 24 6.83 7.94 0.00% 33.75
030270XXXXXXXX 上気道炎 17 5.00 4.85 0.00% 48.82
030428XXXXXXXX 突発性難聴 17 7.18 8.81 0.00% 61.00
2020年4月~2021年3月に耳鼻咽喉科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では口腔及び咽頭の腫瘍による患者さんが多く、「下咽頭腫瘍摘出術(経口腔)」が行われています。また、頭頸部がんに対して低侵襲な経口的内視鏡下手術をはじめ化学療法や放射線治療、頸部手術を行い、さらに腫瘍内科や緩和ケア科と連携したチーム医療を行っています。各疾患に応じて専属の看護師、言語聴覚士、臨床検査技師と連携し頭頚部外科疾患全般においても医療を提供できるよう心がけています。慢性副鼻腔炎の患者数も多く、「内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS)」や鼻中隔弯曲症に対する「鼻中隔矯正術」が行われています。難聴などの聴力障害に対して、精密検査から診断・治療・リハビリテーションまで一貫したフォローを行っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
080010XXXX0XXX 膿皮症 手術処置等1 なし 12 9.00 12.87 0.00% 66.50
080020XXXXXXXX 帯状疱疹 11 11.27 9.12 0.00% 75.27
100100XX99X0XX 糖尿病足病変 手術なし 手術処置等2 なし - - 21.56 - -
080006XX01X0XX 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術処置等2 なし - - 7.71 - -
080090XXXXXXXX 紅斑症 - - 10.48 - -
2020年4月~2021年3月に皮膚科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院の皮膚科では全身の皮膚、頭の毛髪から手足の爪の先まで、最も外表面にある臓器・器官に関して湿疹、感染症、皮膚がんに至るまで幅広く診療を行っています。
入院治療においては急性膿皮症(主に蜂窩織炎)が最も多く、それに帯状疱疹が続いています。また、糖尿病患者の足のケア(フットケア・水虫・たこ・潰瘍など)に携わっており、糖尿病の足病変がそれに続きます。
皮膚腫瘍については悪性のものについても治療を行っており、基底細胞がん、ボーエン病、パジェット病が多くなっています。的確な臨床病理診断のもと症例に応じて液体窒素、外科手術や化学療法及び放射線療法を選択し治療を行います。当院は多くの診療科でがんの化学療法を実施しておりますが、薬疹など皮膚トラブルが発生した場合には、その治療にも当たっています。
また、褥瘡対策委員会における主要科として入院患者さん全体にわたる褥瘡治療・予防のアドバイスや、スキンテアの管理、糖尿病患者さんの足や爪のケアなど、チーム医療の一端を担っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020230XX97X0XX 眼瞼下垂 手術あり 手術処置等2 なし 19 2.16 3.07 0.00% 72.32
070071XX97XXXX 骨髄炎(上肢以外) 手術あり - - 34.05 - -
160200XX0200XX 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む) 鼻骨骨折整復固定術等 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし - - 5.28 - -
100100XX97X1XX 糖尿病足病変 手術あり 手術処置等2 あり - - 44.59 - -
070570XX970XXX 瘢痕拘縮 その他の手術あり 手術処置等1 なし - - 5.27 - -
2020年4月~2021年3月に形成外科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では生まれつきの変形、外傷や手術後の変形などを正常な状態に出来るだけ近づけるように外科的治療を行っています。形成外科では、昨年に引き続き眼瞼下垂に対する手術目的での入院症例が多く、次いで骨髄炎や顔面外傷による鼻骨骨折、難治性潰瘍の入院症例が上位となっています。糖尿病の合併症である糖尿病性末梢循環障害に伴う壊死や骨髄炎に対しては、血管外科、皮膚科、整形外科、循環器内科など各診療科と連携し診療を行っています。皮膚、皮下組織などに発生した良性腫瘍(母斑・血管腫・リンパ管腫・脂肪腫等)の摘出を目的とした症例も上位症例となっています。瘢痕・ケロイドに対しては保存的治療で改善得られない場合、手術治療を行っています。また、当院は乳癌術後のシリコンインプラントによる再建の認定施設となっており、自家組織での再建も積極的に行っています。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
090010XX02XXXX 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 35 4.80 6.02 0.00% 55.97
090010XX010XXX 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 29 10.41 10.30 0.00% 60.38
090020XX97XXXX 乳房の良性腫瘍 手術あり 21 3.10 4.13 0.00% 42.48
130030XX97X00X 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術処置等2 なし 副傷病 なし - - 8.20 - -
130030XX99X0XX 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 なし - - 9.65 - -
2020年4月~2021年3月に乳腺外科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
乳がんは女性が最も罹りやすいがんとなっていますが、当院は乳がん専門施設の認定を受け、乳腺専門医が精度の高い診断・手術治療に努めています。患者さんの病期や背景などによって治療法は異なるため、手術のみでなく放射線治療や腫瘍内科と連携した化学療法などを含めた適切な治療や術後のフォローまでしっかりとさせていただきます。早期乳がんの場合、可能であれば「乳房部分切除術」など乳房温存の術式を選択しセンチネルリンパ節生検(RI法と色素併用法)、腋窩リンパ節郭清の省略をして患者さんの負担の軽減を図るなど、生活の質(QOL)を重視した治療を積極的に行っています。温存手術では、整容性に配慮し満足度の高い乳房温存手術を目指しています。また、乳房全摘除を行った場合も患者さんの希望により形成外科と連携し「乳房再建術」を行っています。
ご高齢の方、合併症(循環器系・糖尿病など代謝性疾患)をお持ちの患者さんに対しては、内科系診療科などと連携し安全に治療が受けられる体制を整えています。
救急診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
161070XXXXX00X 薬物中毒(その他の中毒) 手術処置等2 なし 副傷病 なし 26 3.85 3.81 3.85% 37.35
180010X0XXX3XX 敗血症(1歳以上) 手術処置等2 3あり 10 12.30 37.36 10.00% 70.50
180010X0XXX2XX 敗血症(1歳以上) 手術処置等2 2あり - - 32.44 - -
170020XXXXXX0X 精神作用物質使用による精神および行動の障害 定義副傷病 なし - - 3.74 - -
080270XXXX0XXX 食物アレルギー 手術処置等1 なし - - 2.44 - -
2020年4月~2021年3月に救急診療科で退院した患者さんの、DPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、過量服用による急性薬物中毒および食物アレルギーなどの緊急性を伴う疾患や、人工呼吸器・人工透析を必要とする重篤な敗血症症例が上位を占めています。その他には脳内出血などの所謂「脳卒中」に含まれる症例も多くなっています。当院では2018年11月より脳卒中の専門病棟(SCU)を開設しており、脳卒中を専門とする医師が365日24時間体制で治療に取り組んでいます。また、急増する救急需要に応えるため2012年12月より救命救急センター22床を開設、2017年5月の新病棟移転時には最新鋭の設備を備えた救急外来の拡充と共に30床に増床され、救急診療機能を一層強化し初期治療から入院加療に至るまで、継続した集中治療を行っています。救命救急センターでの診療は重度外傷、心肺停止、心臓・大血管疾患や重症敗血症などの多岐にわたりますが、救急診療科と専門診療科だけでなく、放射線技師や臨床検査技師、臨床工学技士、薬剤師も常時協働して速やかな診断と治療に当たっています。
腫瘍治療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060280XXXXXXXX アルコール性肝障害 32 3.84 13.95 0.00% 63.28
060020XX99X5XX 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等2 5あり 26 7.69 7.00 0.00% 75.27
060010XX99X40X 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術処置等2 4あり 定義副傷病 なし 23 7.13 9.31 0.00% 68.74
060035XX99X6XX 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 20 5.35 4.51 0.00% 72.65
060050XX99000X 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 4.21 8.65 0.00% 69.74
2020年4月~2021年3月に腫瘍治療科で退院した患者さんのDPC14桁分類で症例数上位5症例について、患者数、当院の平均在院日数、全国平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科ではがんの診断から治療まで関わっており、各科と連携を取り患者さんの全身状態を総合的に判断し、最新のエビデンスに基づいた標準的化学療法を選択しています。なかでも、アルコール性肝障害を伴う肝細胞がん患者の症例が最も多くなっています。次いで消化器がんを中心に、胃がん、食道がん、結腸がんの入院が多くなっています。その他に乳がん、泌尿器系・婦人系悪性腫瘍、頭頚部がん、原発不明がん、その他悪性腫瘍一般などと多岐にわたり対応しています。患者さんと医療者の間で積極的にコミュニケーションをとることで、精神面での不安を解消できるようなアットホームな診療を行っています。また、がん患者専門看護師、がん薬物療法認定薬剤師、緩和ケアチーム、医療ソーシャルワーカーなどがチームとなり患者さんの診断、治療からケア生活面の問題解決などに積極的に取り組んでいます。総合病院としての機動力・総合力を強みに、安心・安全なそして全人的な医療を提供しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 34 - - 18 40 14 1 8
大腸癌 18 23 25 30 100 39 1 8
乳癌 25 23 - - - 21 1 8
肺癌 54 - 55 40 43 68 1 8
肝癌 - 10 12 - 12 48 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
日本で現在最も罹患数の多い5つのがん(胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん・肝がん)の病期(ステージ)ごとの症例数を集計しました。病期分類はがんがどれくらい進行しているかを分類するもので、Stage0からStageⅣまであり、StageⅣが最も進行していることになります。なお、再発がんは症例数のみを別に集計しています。がんの症例数をみることで、その病院がどの程度がん治療やケアに積極的に取り組んでいるのかを知ることができます。また、病期分類をみることでその病院がどれくらい幅の広い診療を行っているかを知ることができます。
当院は2015年4月より東京都がん診療拠点病院の指定を受けており、専門性・機動力・総合力を兼ね備えたチーム医療が当院のがん医療の特徴です。がん専門病院では治療が難しいとされる、糖尿病や心疾患などの合併症をお持ちの患者さんにも安心して最良の治療を受けていただけるよう、院内の各専門科、地域の医療機関とも密接に連携して、切れ目のない全人的ながん診療に努めています。
各診療科・腫瘍内科・放射線治療科・緩和ケア科などの多部門・多職種が連携し、がんの進行度・予後規定因子・併存疾患・全身状態などから個々の患者さんの状態を総合的に判断した上で、手術療法・放射線治療・薬物治療などから最新のエビデンスに基づいた最適な治療法を選択します。当院では2014年4月にがん薬物療法を専門的に扱う腫瘍内科を開設し、抗悪性腫瘍薬はもとより新規抗がん剤・分子標的薬・PD-1抗体など使用薬の選択肢を広げることにより、緩和ケアの取り組みにも力を注いでいます。患者さんやご家族に、薬物療法のベネフィットとリスク、適応と限界に関する情報を正しく伝え、個々の価値観を尊重しできるだけ生活の質を落とさずに治療を続けることをモットーに日々診療を行っています。他にも、がんに関するご相談をお受けするがん看護外来やがん相談窓口の設置など、治療からケアまで積極的に取り組んでいます。
当院での5大がんの症例数では平成29年度実績から引き続き肺がんが最も多く、病期はStageⅠ・Ⅲが多くなっています。原発性肺がんは診断時にはすでに進行している症例が多い傾向にあります。肺がんの検査・治療においては、検査精度の充実を図り超音波内視鏡(EBUS-TBNA)の最新機器を導入し、診断・治療計画の検討を呼吸器外科をはじめ各部門が連携して行っています。また、近年と比べステージⅣが減少傾向にあります。肺がんセンターにて未確診の方も広く受け入れ、気管支鏡による早期発見・早期治療に対応しています。手術が適応となる場合は患者さんの体への負担や安全を考慮し、胸腔鏡を基本とした低侵襲な胸腔鏡下肺切除術を積極的に行っています。また手術が適応にならない場合には、抗がん剤や放射線による治療を患者さんそれぞれの状況に応じて行っています。次いで多い大腸がん・胃がんの治療では、早期大腸がんや早期胃がんに対しては内視鏡的粘膜剥離術(ESD)を積極的に行っています。進行がんに対しては消化器外科をはじめ各部門が連携し、拡大手術(肝転移、肺転移に対する切除術)や、抗がん剤治療を組み合わせた治療を行っています。胃がん・乳がんに関しては定期健診の普及や検査機器の進歩もあり早期発見・早期治療が可能となってきているため、病期はStageⅠ・Ⅱが多くなっています。乳がんの治療では、早期乳がんの場合は乳房温存療法のほかセンチネルリンパ節生検、腋窩リンパ節郭清の省略など生活の質(QOL)を重視した治療を積極的に行っています。肝がんに対する手術では腹腔鏡の割合が多くなっており、大部分の肝切除にも腹腔鏡下肝切除術などを行える施設基準を得ています。その場合は、難しい術式のため認定医が対応をしています。また、治療後も再発することが多い疾患であり、ラジオ波やTAE(経カテーテル肝動脈塞栓術)などを行いながら経過を追っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 14 8.64 55.50
中等症 74 15.39 78.96
重症 16 16.56 81.19
超重症 13 28.00 81.00
不明 - - -
肺炎は肺実質におこる感染性炎症で、市中肺炎と院内肺炎があります。そのうち成人におきた市中肺炎を重症度別に集計しました。市中肺炎とは、一般的な社会生活を送っている中で発症した肺炎です。通常はインフルエンザ等のウイルスによるものも含みますが、本指標では除外します。また、新型コロナウイルスによる肺炎は含みません。重症度分類はA-DROP法にて分類しており、0が軽症、1~2が中等症、3が重症、4~5が超重症となります。本指標で、どのくらい重い症状の肺炎患者さんを診療しているかを知ることができます。
重症度別患者数では昨年より減少傾向ではありますが、引き続き中等症が最も多く、全体の6割を超えています。平均年齢をみると軽症は50代であるのに対し、中等症から超重症では70代後半から80代となっており、高齢になるにつれ重症化する傾向があります。また、年齢に比して平均在院日数が伸びており、高齢になるにつれ回復までの治療期間が要する傾向にあります。慢性呼吸器疾患等の合併症を有した肺炎の場合、適切な抗生剤投与や酸素投与、人工呼吸器の装着などの支持療法管理が重要となります。また、誤嚥や長期臥床に伴う体力低下予防のためのリハビリテーション科と連携した呼吸器リハビリテーションの早期介入、呼吸能力及び身体能力向上にも取り組んでいます。
脳梗塞の患者数等
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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 159 25.33 75.36 41.51%
その他 28 19.82 73.61 25.00%
2020年4月~2021年3月に当院を退院した患者さんのうち医療資源を最も投入した傷病名が脳梗塞の患者さんを対象として、その発症から入院までの日数を「3日以内」と「その他」に分け、それぞれの患者数・平均在院日数・平均年齢・転院率を示しています。患者数は発症3日以内の急性期脳梗塞が多く、脳梗塞の患者数の8割を超えています。平均年齢は3日以内とその他ともに70代以上となっています。転院率は年々増加しており4割超となっています。
当院は、2006年の脳卒中センター開設にて24時間365日体制での救急患者受け入れが可能となり、2009年3月には東京都脳卒中急性期医療機関の認定を受けました。急性期脳梗塞の診断・治療を担う病院としてさらに治療体制の強化を図るべく、2018年10月には脳卒中専門病床となる脳卒中ケアユニット(SCU)を設置、2019年10月には当院が24時間365日脳卒中患者を受け入れ、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかにt-PA療法(超急性期血栓溶解療法)による血栓溶解療法を含む診療を開始できることより一次総卒中センター(PSC)の認定を受けました。脳梗塞は早期治療が重要となるため、SCUでは脳神経内科・脳神経外科・脳血管内治療科・救命救急センターの各科専門医が連携し、CTやMRIなどによる迅速な検査・診断のもと治療方針の検討を行い、最適な治療を行っています。急性期治療では、点滴によるt-PA療法、カテーテルによる血管内治療や開頭手術などを行っています。また急性期治療と並行し、体力低下予防・早期機能回復を目的としたリハビリテーションの早期介入を行っています。さらに地域医療連携室とも連携し、回復期リハビリテーション病院などへの転院サポートも脳卒中地域連携パスを用いて積極的に行っており、このような連携が転院率の増加にも示されます。急性期高度専門治療から退院後の支援まで、多部門が一丸となり継ぎ目のない脳卒中医療を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
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総合診療・感染症内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 11 11.73 21.36 36.36% 67.27
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -
2020年4月~2021年3月に総合診療科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科は内科系疾患全般の診療を行うとともに生活困窮者への診療などを行っています。そのような特性から診断結果を元に専門科と連携を取り、「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」や「内視鏡的胆道ステント留置術」などの内視鏡下手術、がんによる胸水や腹水に対する「濾過濃縮再静注法」など多岐にわたる手術を行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 150 1.14 1.33 0.67% 72.43
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 74 3.46 9.35 4.05% 74.54
K654 内視鏡的消化管止血術 42 2.02 5.19 14.29% 64.55
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 35 1.00 4.14 2.86% 70.83
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) 34 0.79 1.79 0.00% 65.56
2020年4月~2021年3月に消化器内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科で最も多い手術は「内視鏡的大腸ポリープ切除術」です。ポリープの大きさや合併症の有無など患者さんの状態に応じて、外来または短期入院で治療しています。また、総胆管結石による胆管炎に対する「内視鏡ステント留置術」も多く実施されており、早期治療を行うことで重症化を防いでいます。「内視鏡的消化管止血術」は上部消化管出血や下部消化管出血に対し24時間体制で施行しています。3cm以上の大きな早期胃がん・早期大腸がんに対しても「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」を積極的に行っており、ESDの件数も増加しています。当科で扱う疾患は多岐にわたるため、他科と連携をとり患者さんの状態に合わせた診療に努めています。
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) - - - - -
2020年4月~2021年3月に呼吸器内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では非結核性抗酸菌症や肺アスペルギルス症を基礎疾患に持つ患者さんが喀血にて緊急入院をした際に放射線治療科と連携し「血管塞栓術」を行っております。また、重症肺炎・急性肺損傷で人工呼吸器管理となる入院患者さんも多く、人工呼吸器の離脱に時間がかかる場合は呼吸器外科と連携して「気管切開」を行っております。また、入院中に消化管出血を来す患者さんもいるため消化器内科に依頼して「内視鏡的消化管止血術」を施行しております。肺癌患者で化学療法を繰り返している患者さんには外科と連携してポート(植込型カテーテル装置)を造設しております。当院の各診療科と連携して何事にも速やかに対応しております。
脳神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K178-4 経皮的脳血栓回収術 16 2.19 28.00 68.75% 75.38
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
K1781 脳血管内手術(1箇所) - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) - - - - -
K178-2 経皮的脳血管形成術 - - - - -
2020年4月~2021年3月に脳神経内科で入院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科での手術は、カテーテルを血管内へ挿入して行う脳血管内手術が中心となります。最も多い手術は、超急性期脳梗塞に対する「経皮的脳血栓回収術」で、カテーテルにて血管を閉塞させている血栓を回収する手術です。また脳梗塞の発症・再発予防治療として、頸動脈の狭窄を広げる「頸動脈ステント留置術」や脳内血管の狭窄を広げる「経皮的脳血管形成術」も多く行っております。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤に対しては、コイルで動脈瘤を詰める「脳血管内手術」も行っております。一方で、脳卒中等で口からの食物摂取が困難となった患者さんに対して、適切な栄養補給を行いリハビリテーションを継続する目的として「胃瘻造設術」も行っています。
糖尿病・内分泌内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 21 5.86 5.38 0.00% 70.29
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) - - - - -
K084 四肢切断術(上腕、前腕、手、大腿、下腿、足) - - - - -
K2762 網膜光凝固術(その他特殊なもの(一連につき)) - - - - -
2020年4月~2021年3月に糖尿病・内分泌内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では糖尿病患者に対しての原疾患の治療と共に、検査結果などから悪性腫瘍の疑いがある場合には他科と連携し内視鏡検査等の精査も併せて行っています。そのため「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」の件数が多くなっています。また、糖尿病の重大な合併症でもある循環不全による足潰瘍に対して「血管拡張術・血栓除去術」「腐骨摘出術」などを施行しています。糖尿病による足病変は、糖尿病神経障害による感覚低下や網膜症による視力障害から傷の発見が遅れることや、血流障害などにより傷が治りづらいことが大きな要因とされています。当院ではフットケア外来を設置しており、専任医師・看護師・装具士が一丸となって潰瘍を発生させないために早期発見・予防を行っています。また糖尿病以外にも疾患がある患者さんには、院内複数の診療科が横断的に連携し、最良で安心な治療を提供しています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの) 18 8.06 10.17 11.11% 75.89
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 15 11.53 5.27 6.67% 72.53
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 10 4.60 14.70 0.00% 70.80
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 - - - - -
2020年4月~2021年3月に腎臓内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院は透析導入病院としての機能を有しているため、血液透析や腹膜透析を行うための手術が多数を占めています。前年に引き続き「末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)」が最も多い手術術式となっています。内シャント造設術とは、血液透析を行うために必要な血液の通り道を作成することです。次いで多い術式は「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」で、この手術はシャント血管が血栓などで狭窄や閉塞をおこし血液透析が困難になった際に行うカテーテル血管内治療です。また、これから腹膜透析を始める患者さんに対する「腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術」も上位手術症例となっています。糖尿病による腎機能障害(糖尿病性腎臓病)は近年増加傾向にあり、末梢循環障害の合併症に対する「四肢の血管拡張術・血栓除去術」が多くなっています。当科では透析導入に対しては患者さんの生活背景・価値観に寄り添った選択をし、導入後も血管外科専門医とも連携をとりながらより確実な治療に取り組んでいます。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6261 リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) - - - - -
K9212ロ 造血幹細胞採取(一連につき)(末梢血幹細胞採取)(自家移植の場合) - - - - -
K142-4 経皮的椎体形成術 - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) - - - - -
2020年4月~2021年3月に血液内科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
血液内科では、血液腫瘍か確定診断を得るため、および適切な治療計画作成のため不可欠な「リンパ節摘出術」、確定診断後に適応される患者さんに行われる「造血幹細胞移植」が上位を占めています。悪性リンパ腫や骨髄異形成症候群の入院症例が多く、患者さんの状況に合った化学療法や支持療法などを行っています。また、適応される患者さんには積極的に「造血幹細胞移植」を行っています。その他には化学療法を開始するための「中心静脈注射用カテーテル挿入術」や、治療経過中に発症した疾患に対する手術が上位となっています。当科は血液疾患を扱う施設が林立している中で総合医療センターとしての役割を担っており、複数の余病や合併症などをお持ちの患者さんの治療にもチーム一丸で診療に臨み、各診療科の専門医とも連携し、専門的治療を行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 132 2.81 6.16 4.55% 69.55
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 35 12.11 10.37 0.00% 76.89
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 19 4.42 9.95 5.26% 77.00
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 16 1.06 3.56 0.00% 62.88
K5461 経皮的冠動脈形成術(急性心筋梗塞に対するもの) 14 0.00 21.79 21.43% 63.57
2020年4月~2021年3月に循環器科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科は1979年より東京都CCUネットワークに加盟し、急性心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や心不全、不整脈などの心臓救急に対応しています。特に急性心筋梗塞に対する緊急経皮的冠動脈インターベンションは、24時間365日対応可能な体制を整えています。手術件数では、急性心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患に対する「経皮的冠動脈ステント留置術(インターベンション)」が大多数を占めています。急性心筋梗塞は冠動脈に急激な狭窄や閉塞がおきて心臓の筋肉に血液が送られなくなり、心臓の筋肉が壊死する病気で治療のガイドラインでは、病院到着より冠動脈の再開通までの時間が90分以下とされています。このため一刻も早く検査治療が始められるかが重要となるので、救急外来やカテーテル治療室で連携を図り、看護師、検査技師なども含めたチーム医療で迅速な対応・治療を行っています。当院では血管外科医と循環器内科医が協働して下肢の動脈など末梢血管疾患への血管内治療(EVT)も数多く行っており、糖尿病内科、腎臓内科、形成外科、皮膚科との連携によりフットケアのチーム医療も行っています。
一般・消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 77 2.31 5.34 0.00% 62.70
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 50 1.24 2.62 0.00% 71.62
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 44 0.57 3.14 0.00% 36.59
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 33 4.94 13.42 12.12% 74.88
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの) 29 1.10 1.45 0.00% 71.38
2020年4月~2021年3月に一般・消化器外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
コロナ禍であり、例年より症例数が減少しています。当科では胃がん・大腸がん(結腸・直腸がん)・食道がん・肝臓がん・胆嚢胆管がん・膵臓がんなどあらゆる消化器がんに対する治療を行っています。病状に合わせて腹腔鏡下の低侵襲手術から、血管合併切除を必要とする高難度手術まで実施しています。手術内容は、症例としては、救急疾患に対して24時間体制で手術を行っているため、胆嚢疾患や虫垂炎に対する「腹腔鏡手術(胆嚢摘出術・虫垂切除術)」が大半を占めています。また、「鼠径ヘルニア手術」においても腹腔鏡手術の比率を伸ばし、体への負担が少ない医療を心がけています。この他、心臓血管外科と協力体制を敷いて血管外科治療も行っており、透析用内シャント治療、下肢静脈瘤に対する手術、腹部内臓血行障害や動脈瘤に対する治療なども扱っています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 33 1.67 9.06 3.03% 67.85
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 19 2.00 7.53 0.00% 71.21
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 17 3.35 3.88 0.00% 30.59
K513-2 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術 - - - - -
K5132 胸腔鏡下肺切除術(部分切除) - - - - -
2020年4月~2021年3月に呼吸器外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
呼吸器外科では手術症例の多くが肺がんや縦隔腫瘍に対する手術となっており、殆どの手術で胸腔鏡(内視鏡)を使用した低侵襲手術を行っています。胸腔鏡手術は開胸手術法と比べ痛みが少なく、患者さんの負担の少ない手術となっています。そのため術後の回復も早く、早期の呼吸器リハビリテーションが可能です。医師や看護師、薬剤師は勿論のこと、リハビリスタッフとも積極的に連携を図っており、患者さんは術後約7~10日で退院されています。当科では肺がん治療の三本柱である外科手術、抗がん剤治療、放射線治療を組み合わせた先進治療を呼吸器内科や腫瘍内科、放射線科、病理診断部、緩和ケアグループなどと密な連携の下に行っています。また各診療科とも協力体制が確立されており、糖尿病や腎不全、脳梗塞、心筋梗塞などの合併症をお持ちの患者さんに対しても積極的にアプローチすることができており患者さん一人一人の状況に応じた安全な治療に取り組んでいます。
心臓血管外科・血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 48 1.83 3.71 0.00% 73.98
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上のもの) 33 9.42 18.15 6.06% 69.33
K5612ロ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(腹部大動脈) 21 1.90 5.43 4.76% 75.76
K5612イ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(胸部大動脈) 16 2.50 8.69 6.25% 69.25
K5551 弁置換術(1弁のもの) - - - - -
2020年4月~2021年3月に心臓血管外科・血管外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
最も多い手術は「血管拡張術・血栓除去術」で、閉塞性動脈硬化症の患者さんに行うカテーテルを用いた血管内治療で、血管外科専門医が行っています。次いで狭心症や心筋梗塞などの虚血性疾患の患者さんに行う「冠動脈バイパス手術」となります。虚血性疾患の患者さんへの治療法として循環器内科医による心臓カテーテル治療も行なっているため、循環器内科とチームを組み患者さんにとってより適切な治療を選択しています。また当院は糖尿病を合併した患者さんが多い傾向から、一般的に感染症等の手術リスクが増大すると言われる糖尿病患者さんへの「冠動脈バイパス手術」の実績割合も高く、良好な結果を出すことができています。次いで多い手術は腹部・胸部大動脈瘤に対して破裂を防ぐために行う「ステントグラフト内挿術」となります。2017年にハイブリッド手術室が稼動し高度な血管治療が行える体制を整え、開胸(又は開腹)による外科的バイパス手術とカテーテルを用いた大動脈ステントグラフト治療など患者さんの状態に応じた方法を選択し、指導医資格を持つ血管外科専門医と共にチーム医療を行っています。さらに当院では弁膜症専門外来を設置し心臓弁膜症手術にも力を注いでいます。そのため大動脈弁閉鎖不全や僧帽弁閉鎖不全に対する「弁置換手術」目的の入院症例も増加し上位となっています。弁膜症専門外来では早期の段階から専門医が診療に当たっているため、僧帽弁閉鎖不全症の患者さんに対し、病状によっては弁を置き換えずに自己弁を温存する「僧帽弁形成術」等も選択肢の一つとなっています。2018年より「経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)」を開始、また弁膜症に心房細動を合併した症例については「メイズ手術(術中アブレーション)」も行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 26 1.62 10.12 11.54% 79.58
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 13 0.38 48.46 46.15% 60.38
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(脳内のもの) 13 1.15 48.23 46.15% 68.23
K1742 水頭症手術(シャント手術) - - - - -
K1781 脳血管内手術(1箇所) - - - - -
2020年4月~2021年3月に脳神経外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、交通事故や転倒・転落などによる頭部外傷、脳卒中(くも膜下出血、脳出血)、脳腫瘍(良性、悪性、転移性)、水頭症など幅広い脳疾患の治療を行っています。
当院は脳卒中センターおよびSCU(脳卒中集中治療室)を設置し、救命救急センターにおいては救急診療科と連携した治療を行っていることから手術を含めて24時間対応できる体制をとっています。そのため、緊急性の高い脳疾患の手術が多い傾向にあります。最も多い手術は「慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術」であり、「脳動脈瘤頸部クリッピング」と続いています。次の開頭による「頭蓋内血腫除去術」については、開頭術のみでなくカテーテルを用いた脳血管内治療など脳神経内科と連携して比較的体への負担が少ない術式にも取り組んでいます。また頭蓋内腫瘍の手術などについては、がん専門病院などとの連携を強化し「頭蓋内腫瘍摘出術」などの手術や手術後の放射線治療、化学療法まで含めた治療に対応しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 82 2.27 21.56 12.20% 67.70
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 59 2.59 21.31 59.32% 79.31
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 41 1.76 6.29 4.88% 60.22
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 31 3.19 21.32 70.97% 79.71
K0463 骨折観血的手術(鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他) 24 2.21 5.29 0.00% 52.25
2020年4月~2021年3月に整形外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では整形外科領域の手術を幅広く行っていますが、最も多い手術は「人工関節置換術(肩、股、膝)」になります。「人工股関節手術」はナビゲーション手技と呼ばれるコンピューター支援手術(CAS:Computer Assisted Surgery)を取り入れ、手術部位を立体的な影像で確認することにより、変形が著しい例でも正確な手術が行えるよう取り組んでいます。変形が少ない例では、最新式の人工股関節を体への負担が少ない前方侵入筋間進入手術という方法で設置し、早期回復を目指しています。また麻酔技術・痛みに対する対策も進歩し、術後に著しく体力が低下することも少なくなり、年齢制限なく高齢の患者さんにも手術治療を提供しています。また、転倒等による骨折に対しては、折れてしまった骨を医療用金属ボルト等で固定する「骨折観血的手術」を行い、早期からリハビリテーションを開始し入院を短期間にすることで、入院前と変わらない日常生活が送れることを目指します。上肢・手の領域においても転倒、骨折により手の機能が低下する例が増加していますが、当院では手術的治療を積極的に行っています。脊椎領域の手術においては、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアに対する除圧術・固定術などを行なっています。また、脊椎圧迫骨折には「経皮的椎体形成術」などを行い、患者さんひとりひとりにあった手術治療を提供することに努めています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 82 1.30 3.57 0.00% 72.38
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 70 1.07 4.69 2.86% 72.26
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 53 1.19 1.68 1.89% 61.04
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 45 0.80 0.33 0.00% 53.31
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) 37 1.00 3.89 0.00% 73.32
2020年4月~2021年3月に泌尿器科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では尿路・男性生殖器・副腎など泌尿器全般にわたる手術を行っていますが、特にがん・尿路結石・前立腺肥大症およびそれらの疾患に起因する尿閉など排尿障害に関する手術(「経尿道的尿管ステント留置術」など)が件数上位を占めています。
がん治療では内視鏡下手術など低侵襲な術式を積極的に行っています。最も件数が多い膀胱がんは、早期の場合「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)」など内視鏡によるがん切除を行います。その際に抗がん剤を注入し再発防止を図っています。浸潤がんの場合は、開腹により「膀胱全摘術」を行っています。
尿路結石の手術では「体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)」による日帰り又は1泊2日の治療を行い、効果が不十分な場合にはホルミウムレーザーを用いた「経尿道的結石除去術(TUL)」を行うことでより確実に結石除去を行っています。
前立腺肥大症においては内視鏡による経尿道的手術の件数が多くなっており、より合併症が少なく安全な手術も可能です。その他骨盤臓器脱、腹圧性尿失禁など女性特有の泌尿器疾患の手術も行っており、これらにおいても侵襲の少ない新しい術式を積極的に取り入れています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 67 1.15 4.13 1.49% 38.91
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 52 1.31 4.46 0.00% 38.02
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 48 1.48 4.71 0.00% 47.79
K872-31 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術(電解質溶液利用のもの) 33 1.00 1.06 0.00% 40.67
K867 子宮頸部(腟部)切除術 25 1.00 1.72 0.00% 40.32
2020年4月~2021年3月に産婦人科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
女性特有の疾患(子宮筋腫・卵巣のう腫・子宮内膜症)などに対して診断、治療を行っています。子宮の良性腫瘍や子宮内膜症の治療件数が多いため、子宮付属器腫瘍摘出が1番多くなっています。患者さんへの負担が少ない低侵襲手術治療として、内視鏡手術(腹腔鏡下手術・子宮鏡下手術)をほぼ全症例に対して行っており上位5つの術式はいずれもそちらに該当します。また内視鏡手術(腹腔鏡下手術・子宮鏡下手術)は、開腹手術と比較して入院日数や療養期間もより短縮されています。
他にも悪性腫瘍や骨盤臓器脱に対する手術も積極的に行うなど、さまざまな手術方法の中から各疾患や患者さんの状態やニーズに合わせて適切な治療選択を行っています。2017年5月より分娩を開始し、産科領域の手術も増加傾向にあります。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 157 0.64 1.01 0.00% 74.91
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 17 1.18 3.53 0.00% 68.35
K281 増殖性硝子体網膜症手術 - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) - - - - -
- - - - - - -
2020年4月~2021年3月に眼科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、白内障に対する「水晶体再建術」が入院手術件数の多くを占めています。次いで糖尿病網膜症や硝子体混濁などに対する「硝子体茎顕微鏡下離断術」、「増殖性硝子体網膜症手術」が多くなっています。当科の手術治療では白内障のほか、糖尿病網膜症・黄斑上膜・網膜剥離などの硝子体手術、加齢黄斑変性などの抗VEGF硝子体注射も施行しております。手術は日帰り手術(外来手術)も行っており、年間約600件の手術治療を行っています。そのなかでも白内障手術が最も多く約400件、網膜硝子体手術は約60件、そのほか硝子体注射は約120件などです。糖尿病や腎臓疾患などをお持ちの患者さんにも安心して手術を受けていただけるよう糖尿病内科や腎臓内科など他診療科と密な連携を図り、安全な手術に取り組んでいます。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 24 1.17 4.75 0.00% 33.33
K347-5 内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型(下鼻甲介手術) 21 1.00 3.00 0.00% 48.52
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 15 1.00 3.53 0.00% 50.67
K3731 下咽頭腫瘍摘出術(経口腔によるもの) 15 1.27 1.60 0.00% 63.40
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡によるもの) - - - - -
2020年4月~2021年3月に耳鼻咽喉科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では耳・鼻腔・喉頭・頭頚部を中心とした疾患に対しての手術を行っています。中でも多い手術は喉の疾患の患者さんに対して行う「口蓋扁桃手術」です。また、慢性副鼻腔炎の患者さんに対し内視鏡を使用して行う「副鼻腔手術」や「鼻中隔手術」も多く行われています。その他悪性腫瘍の治療にも力を入れており、低侵襲な経口的内視鏡下手術をはじめ化学療法や放射線治療を、腫瘍内科や緩和ケア科と連携しチーム医療を行っています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2センチメートル以上4センチメートル未満) - - - - -
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
K013-21 全層植皮術(25平方センチメートル未満) - - - - -
K0021 デブリードマン(100平方センチメートル未満) - - - - -
K0132 分層植皮術(25平方センチメートル以上100平方センチメートル未満) - - - - -
2020年4月~2021年3月に皮膚科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では糖尿病患者へ対するフットケア、褥瘡の管理などのチーム医療を担っていることもあり、それにともなって重症皮膚皮下組織感染症(壊死性筋膜炎、フルニエ壊疽など)の治療のための「切開排膿」や「デブリードマン」、「植皮術」が上位にあがっています。
皮膚腫瘍については悪性・良性を問わず手術を行っており、悪性腫瘍では基底細胞がん・ボーエン病・乳房外パジェットなどの皮膚がんの手術を多く行っています。良性腫瘍では脂肪腫・粉瘤・母斑・軟部腫瘍が多くなっています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 13 0.15 1.08 0.00% 70.69
K2193 眼瞼下垂症手術(その他のもの) - - - - -
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K0132 分層植皮術(25平方センチメートル以上100平方センチメートル未満) - - - - -
K227 眼窩骨折観血的手術(眼窩ブローアウト骨折手術を含む。) - - - - -
2020年4月~2021年3月に形成外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、前年に引き続き「眼瞼下垂症手術」が上位を占める手術症例となっています。また、糖尿病の合併症である糖尿病性末梢循環障害に伴う難治性潰瘍に対する手術症例も多くなっています。難治性潰瘍から壊死に至ったり骨髄炎を発症している症例も多く、糖尿病内分泌科のほか皮膚科や整形外科など、多くの診療科専門医と連携して治療を行っています。閉塞性動脈硬化症などの末梢循環障害には、下肢血管のカテーテルによる血管内治療や下肢血管バイパス術など、病状に対して適切な時期に手術が行えるよう血管外科や循環器内科と連携し診療にあたっています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 35 1.03 2.77 0.00% 55.97
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 19 1.16 8.37 0.00% 61.11
K4741 乳腺腫瘍摘出術(長径5センチメートル未満) 12 0.83 1.17 0.00% 43.58
K4742 乳腺腫瘍摘出術(長径5センチメートル以上) - - - - -
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))) - - - - -
2020年4月~2021年3月に乳腺外科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当院は日本乳癌学会認定の乳がん専門施設でもあり、乳腺専門医が常勤し診療に携わり、多くの手術実績があります。治療が急がれる患者さんには可能な限り初診当日に必要な検査(マンモグラフィー・超音波・細胞診)を行い、放射線診断医や病理医と協力し迅速に診断をします。早期がんには可能であれば「乳房部分切除術」などの乳房温存の術式を選択しています。また、部分切除・全摘除を問わずセンチネルリンパ節生検を行うことで術中にリンパ節転移の有無を把握、転移が無い場合には腋窩郭清を省略するなど侵襲を低くし、生活の質(QOL)を重視した治療を積極的に行っています。乳房を全摘除した場合には、患者さんの希望がある場合に乳がん手術と乳房再建を同時に実施する手術を形成外科と連携して行っています。高齢者や、糖尿病・心血管系などの合併症を持つ患者さんに対しても、当院が総合病院である特性を生かして内科系診療科と連携し安全に治療を受けられる体制を整えています。
救急診療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K386 気管切開術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K5461 経皮的冠動脈形成術(急性心筋梗塞に対するもの) - - - - -
K5612ロ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(腹部大動脈) - - - - -
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -
2020年4月~2021年3月に救急診療科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では、呼吸補助のための救命手術である「気管切開術」、吐血や下血のある患者さんに対して行われる「内視鏡的消化管止血術」などが上位を占めています。当院は2012年に三次救急医療機関の指定を受けました。重度外傷、心肺停止、心臓・大血管疾患や重症敗血症などの重篤な救急患者さんを救うため、救急診療科と各診療科が連携し、365日24時間体制で専門治療や緊急手術を行っています。そのため、急性心筋梗塞などの患者さんに行われる「経皮的冠動脈形成術」、腹部大動脈瘤などの患者さんに行われる「ステントグラフト内挿術」、止血のための「血管塞栓術」なども上位となっています。当院は1978年から東京都の心臓循環器救急(東京都CCUネットワーク)に参画しており、冠動脈形成術などの高度医療や、急性大動脈解離などの重症心血管疾患の緊急手術を行っています。また、脳卒中をはじめとして各種専門的診断や治療が必要と判断される場合は、速やかに専門医と協働して救急外来での初期治療の時点から集中的診療を行っています。
腫瘍治療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 39 1.90 7.08 2.56% 71.49
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 37 0.95 2.95 0.00% 65.30
K6822 胆管外瘻造設術(経皮経肝によるもの) 21 4.19 6.76 0.00% 79.62
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 12 4.33 9.08 0.00% 64.08
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 12 1.17 2.08 0.00% 72.33
2020年4月~2021年3月に腫瘍治療科で退院した患者さんを対象に、手術件数の多い順に上位5術式について、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
当科では消化器がんの治療が多いことから、化学療法開始のための「抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用埋込型カテーテル設置」、悪性腫瘍の合併症や肝硬変などによる胸水・腹水貯留に対して行う「胸水・腹水濾過濃縮静注法」、腫瘍による肝道閉鎖に対しての「胆管外瘻造設術」や「内視鏡的胆道ステント留置術」が多く行われています。大腸がんの診断・治療のための「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」も多く行われています。各診療科と連携して総合的に患者さんの状態を判断したうえで、できるだけ生活の質(QOL)を下げることなくがん治療を継続することを目標とし診療を行っています。個々の患者さんに合わせて化学療法・放射線治療・緩和ケアなどの最適な治療法を提供すると同時に、治験の臨床試験への情報提供も行い最新の治療をご紹介します。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 10 0.11%
180010 敗血症 同一 30 0.32%
異なる 53 0.56%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 15 0.16%
異なる - -
医療の質の改善に資するため少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である播種性血管内凝固症候群(以下症候群は省略)、敗血症、その他の真菌症、手術・処置後の合併症について、入院契機病名と同一か否かを区別して症例数(患者数)と発症率を示しています。播種性血管内凝固を例に示すと、この指標の入院契機にある「同一」とは、“入院したときに播種性血管内凝固と診断(もしくは疑いと)されている患者さん”で、「異なる」とは、“入院したときには別の病気で入院したが、その後、播種性血管内凝固を発症し元々の病気の治療より播種性血管内凝固の治療に時間や医療費を多く費やした患者さん”となっています。
当院では糖尿病や慢性腎不全、高血圧症などの慢性疾患の診療に加え、がん診療や救急医療など幅広く専門性の高い診療を行っています。播種性血管内凝固や敗血症は、がんや慢性疾患に感染症が合併して発症することがあります。がん手術・大血管手術等を要する場合には術後、集中治療室や救命救急センターにて慎重な全身管理を行っています。救命救急センターでは、救急搬送やかかりつけ医・近隣病院からの診療依頼も積極的に受け入れており、来院時にはすでに敗血症を発症している又は敗血症の発症リスクが高い重篤な患者さんにも高度な救命集中治療を行っています。「手術・処置等の合併症」の入院契機病名は「透析シャント狭窄・閉塞」や「透析シャント感染」が多数を占めており、その他には「人工関節のゆるみ・脱臼」や「生検後出血」などがあります。当院では腎臓・透析内科と心臓血管外科専門医とが連携し、透析シャントトラブルなどに対する近医かかりつけ医や透析クリニックなど地域医療機関からの診療要請に迅速に対応できる体制となっています。
更新履歴
2021.10.01
初版公開
  • 電話番号

    03-3451-8211(代表)

  • 初診受付時間

    8:00-11:30

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