「済生会中央病院」と「JCHO東京高輪病院」との連携協定について

病院-病院間の連携(病病連携)の形とは

当院ではさまざまな問題を抱えた患者さんへの医療の質を向上させるために多くの医療施設と連携しています。診療所との病診連携がもっとも一般的な連携の形ですが、最近は病院同士の連携(病病連携)も重要性が増しています。

病病連携には目的によっていろいろな形があります。当院はほぼすべての診療科が揃った総合病院ですが、その強みと特徴を生かして、がん研有明病院や国立がん研究センター、あるいは心臓血管研究所付属病院のようなある疾患に特化した高度専門病院との診療連携に力を入れており、合併症を持ったがんや循環器疾患の患者さんの診療の質の向上に貢献しています。

また、当院は脳卒中や大腿骨頸部骨折などの疾患の急性期の診療を行っていますが、これらの疾患では急性期後のリハビリも重要です。この場合は、一定期間リハビリを集中して行う回復期リハビリ病棟を持つリハビリ専門病院にお願いしています。このようなリハビリ目的の急性期病院と回復期病院との連携も病病連携の重要な形の一つです。

具体的にどのような連携をしていくのか

現在、国は急速に高齢化が進むわが国における医療のあるべき姿として地域医療構想という計画を進めています。これは、それぞれの地域の中の病院が担う機能を、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4区分に分類し、在宅医療に至るまで医療の一連の流れの中で、お互いの特徴を生かした役割分担を行い、地域住民に効率的に医療を提供しようという構想です。

この地域の病病連携のポイントは、お互いの病院が同じ地域にあり、距離的にも近いということです。東京高輪病院も当院も東京都に13ある二次医療圏の中で同じ区中央部医療圏に属し、しかも同じ港区の高輪と三田という隣接する町にあります。地域住民の方にも両病院とも身近な病院ではないでしょうか。

もう一つのポイントは両病院の提供する医療の特徴に違いがあり、お互いの機能を補足することです。上述した国の方針である地域医療構想に沿った連携です。一昔前まで両病院は主に急性期医療を行う同じような病院でしたが、当院は平成24年からより重傷救急患者を扱う救命救急センターを開設し、本年度にオープンした新病棟でも救急部門、手術部門、集中治療部門を強化して、上記の機能区分の中では高度急性期機能(重症の救急患者さんや大きな手術や集中治療を必要とする患者さんのための医療)によりシフトしてきました。つまり高度急性期~急性期が中心です。一方、東京高輪病院は急性期以外に平成26年から地域包括ケア病棟を開設し、回復期機能への展開を進めています。地域包括ケア病棟は、入院治療を続けながら自宅や施設への退院の準備をするための病棟で、在宅療養を継続するための地域包括ケアシステムを支援する病棟です。当院で高度急性期~急性期の医療を受けられた地域の患者さんが、安心して在宅療養に戻れるように東京高輪病院の地域包括ケア病棟への転院をお願いします。特に高齢で大きな病気をした後は体力を消耗してすぐに在宅療養に戻ることに不安を感じる方は多いと思います。このような場合、退院に向けての準備をゆっくり行うことができる地域包括ケア病棟がとても有用です。一方、高輪病院を受診された患者さんで、高度急性期医療を必要とされる患者さんは当院へ搬送して入院治療を継続します。

今後、地域医療構想が進んでいくと、このような地域の病院同士の役割分担を目的とする病病連携の輪が広がっていくものと考えています。

病院間連携の調印式